【三重〜京都】編

名古屋の翌朝

【今日も安全運転で行くぞ！！】と気合いを入れ

バイクにエンジンをかけ、ゆっくり西へ向かう。

三重県に突入したあたりだろうか、、、

ここで初めてバイク旅最大の敵と真っ向から向き合う事になる。

雨だ。

もうコレばっかりは覚悟してたし、天候はどうにもできないけど

四月上旬とは言えど、ペラペラのカッパを着てバイクで走るわけだから

クソ寒い

フルフェイスのヘルメットだから視界が悪い。

特に山間部を走る時は

【ここでリタイアしちゃおうかな、えへへ】

と一瞬思うほどだった。

【※後に体験する北海道網走の大雨と比べたら天国でしたが、その話はまた】

３時間以上ひたすら雨に打たれながら走る。

歌いながらいくつものトンネルをくぐっていた時

僕に最高のプレゼントが待っていた。

虹だ！！

思わずバイクを路肩に停めて、デジカメのシャッターを夢中で切った

なんだか【寒い中よく頑張ったな】って

虹に言われているような気がした。

俺はこの旅の中で

どこかの地で【虹】と【流れ星】が見れたらいいなと出発前から思ってたから

なんだか早くも１つ叶って、とても感動した。

余談だけど、この旅の中で

【くだらない写真シリーズ】も何枚か撮ってある。

例えばこの写真

和歌山方面に走り出した時に、【赤羽】と標識に書いてあったから撮影。

俺の地元、東京都北区赤羽なもんだから

【無意識にココで右に曲がって帰っちゃった】

ってオチにしても人生のネタになるのではないか？

と考えたり、考えなかったり。

いつの間にか雨はやみ、山は霧に包まれ

もうすぐ日が暮れてしまう。

やっと和歌山に着いても、、、

既に真っ暗で、、観光どころじゃない。

とにかく今夜の寝床を探さないといけない。

ここではじめて【ユースホステル】という旅人がよく使うと言われている

【宿泊施設】の存在を思い出した。

ツーリングマップをペラペラめくり

一番近いユースホステルを探す。

すると、翌日に行く予定だった【那智の滝】の近くに

ユースホステルがあることが解った。

電話予約もしないで突入することに。

温かく出迎えてくれた女将さん

【今日のお客さんはあなただけよ】

という衝撃の一言を言われ

俺がイメージしてた

いわゆる外国人も日本人も合わさって

【HEY！旅人同士はトモダ〜チ！今夜は飲ミマショウ！】

みたいな交流は一切なく

誰もいない部屋

しかも二段ベッドの上に寝転び

なぜか置いてあった漫画

【静かなるドン】２巻

を独り寂しく読みながら眠りにつく。

という、なんとも不思議なユースホステルデビューだった。

翌朝、女将さんに別れを告げ

目的地だった熊野古道、熊野神社、那智の滝など

完全に観光者モード発動！！

噂には聞いていたけど、那智の滝は本当に圧巻で

今まで見てきた滝がオモチャに見えるほど感動した。

つい一週間前まで都会で夜勤ばかりしていたボロボロの身体が

大自然に癒され、開放されていく

延命の水で寿命を５年延ばしておいた。

もう桜が咲いている。

神社の奥に見える滝は

小学生の頃夢中になってやったRPGゲームの風景のように見えた。

当の本人も

石像に負けないくらいご満悦である。

白浜を通り抜け、そこからまた地図上で北を目指し、奈良方面へ

ここであることに気付く。

そういやギター持って来たのにまるで弾いていない。

むしろ全然ギター弾けないから、練習目的でわざわざ持ってきたのに

これじゃ意味ね〜な！！ってことで

奈良駅周辺で弾ける場所を探していると、、、

駅前でストリートミュージシャン発見！！

年齢を聞くと僕より若い！！１９歳のコンビ！！

コンビ名は？？と聞くと

【そうっすね〜、まだコンビ名、、まだないっす

　だから、、ナイッスでお願いします。】

こういう部分で関西圏に入った事を実感。

独りじゃ路上ライブもできない俺、、、

思い切って頼んでみる。

高田

【今日だけトリオにならない？（笑）】

ナイッス

【いいっすよ！！】

高田

【ありがとう！】

（心の声）【トリオは、ないっす】って言われなくてよかった

そんなこともあり、日本一周中、初めての路上ライブをした夜。

ナイッスの２人！ありがとう！

またどこかで会えたら嬉しいな。

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で、再び問題が

今夜の寝床がない。

よし、やるか、野宿。

選んだ場所が奈良公園

テント張ったらたぶん違法、、というか絶対怒られると思ったので

そこはおとなしくベンチに横たわり

寝袋で一夜を過ごした。

翌朝

チュンチュンと、スズメがうるさい。

朝五時に起きる。

おかげで東大寺一番乗り。

誰もいない貸し切り状態。

中学の修学旅行ぶりの大仏さま

そういや

世界遺産である東大寺の大仏殿の中に、小さな穴が空いている柱がある。

この柱を無事に通り抜けると

ひとつだけ願いが叶うとか、頭がよくなるなどの

効能があると言われています。

修学旅行で東大寺にやってきた方ならば、柱くぐりをした方も多いはず。

やった！！

俺、バカだから頭よくなりたい！！

スーパースターになる夢叶えたい！

と、邪念たっぷりでくぐってみようとした。

大人になった俺もきっといける！！と思ったら

狭くて全然、ダメだった。

※縦37cm　横30cm　奥行き108cm（東大寺調べ）

代わりにお前くぐっとけ！！

ギターだけ通しておいた。

これで僕はきっと旅を終えたらミュージシャンになれるハズだ（笑）

あと、コレね

やっぱ、奈良といえばシカだよね。

こればっかりはシカトできないよね

人間慣れMAXの彼らはグイグイ寄ってくるので

【C】と【G】と【F】と【Am】の４つしかコードを知らないでお馴染みの私が

シカに向けて弾いてみた。

結果

逃げられた

こうして鹿界のミリオンヒットは諦めることになり

次の目的地、京都へ向かう

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やはりとても近いもので

すぐに京都に到着。

また観光モードに。 

不思議なんだよね

学生の頃、歴史なんてまったく興味ないもんだから

あの頃、別に寺を見てもなんも感じなかった。

なのに、学ランを脱ぎ捨てて６年経った今

その歴史的建造物の美しさに感動できる自分がいて

大人になるのも悪くないな〜なんて思った。

だいたいガキの頃の京都修学旅行なんて

木刀ほしい

ぐらいなもんでしたよ。

しかし、さすがに桜の季節

観光客の多さにビビリました。

とにかくたくさん半日、京都中を歩いた。

そして夜

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ほら

奈良駅ストリートライブで味をしめちゃったもんだから

京都駅前でもできるんじゃ？？と思い

尾崎豊を１コーラスちょっと歌った時点で

【はい、キミ！ここダメだから！！】

とソッコーで注意を受ける。

素人だから知らなかったけど

基本路上ライブって違法なんですよね。

※これからやろうとしている皆様、お気をつけ下さい。

おまけに雨も降り出す始末！！！

ついてね〜！！

さすがに雨の中、こんなデカい街で野宿もできないので

仕方なく、京都のカラオケで一泊。

 隣の部屋から聴こえる、おばさまの

欧陽菲菲「ラブ・イズ・オーバー」を

聴きながら眠りについた夜でした。