【北海道、余市の神様と出逢う】
北海道
寝る場所を探す為に偶然立ち寄った【余市】
ここで俺は神様と出逢った。
このオールバックで、後ろで髪を結ってるピースサインの小粋なオジ様が
俺をずっと面倒見てくれた【高安さん】
【沖縄から来たのか??
君も人生をこじらせちゃってる人間だな
だが、それでいいんだぞ!!】
この一言で
あ、悪い人じゃない、絶対に
直感で感じた。
【腹減っただろ?今から蕎麦を食いにいくぞ〜!!】と
車を飛ばす高安さん。
余市で有名なそば屋さんに連れてってくれて
すべて奢ってくれた。
いいのだろうか??
夜には本当に自宅に招き入れてくれて
熱い風呂をもらった後
暖かいスープや地元のベーコン
炊きたての米と、焼酎まで用意してくれていたんだ。
【2階を勝手に使ってくれ、疲れた身体を休めなさい
明日はたくさん色んな場所へ案内してあげるよ!】
俺はフカフカの布団の中で
この見知らぬ寝室の天井を見上げながら思った
これは、、夢じゃないか?
昨日まで函館でブルブル震えながら野宿してた俺が
ストーブの火が灯る部屋
静かに眠ろうとしている、、、、。
実に久しぶりの【人間らしい1日】を過ごした。
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翌日から4日間
高安さんは本当に俺を色んな場所へ連れて行ってくれた
ニセコまで行き、羊蹄山を見た帰りに
そのままニセコ温泉に入れてもらい
メチャクチャ美味しい水があるんだぞ!!と言うと
また車を走らせ
本当にその場所へ行ってくれたり。
なんだか山の中に入っていくぞ、、、???
と思ったら、、、。
源泉がある場所まで教えてくれた。
なんだか胸が熱くなった。
気温は寒かったけど
人の優しさに、胸が熱くなった。
車から流れる雪景色を見て俺は思った
なぜ福井県から青森辺りまで
まったく人と交流がなかったのか?
それは、この人と会うために旅の神様が
スパンを空けていてくれたんじゃないかな?
そんなことを想った。
岡山でヨウイチさんが言ってたように
【誰かがいつか、あんさんを助けてくれる】
流れる風景を見て、そんなことも思い出したよ。
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余市には
ウイスキーで有名なニッカの工場がある。
【高田くん、無料で飲めちゃうんだから味を覚えなさい】
と、言われ
俺は人生で初めてウイスキーのストレートを
この余市で飲む事になった。
喉が、、熱い!!!
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一番思いで深いのは四日目に行った赤井川温泉
山の奥の奥の更に奥にあり
その一角にある温泉
最高のお湯に浸かっていると
またここでも
【見ない顔だね、ウチおいでよ?】
と、俺と同い年ぐらいの男性から声をかけられた
どうなってんだ北海道
優しすぎるだろ
これには高安さんも笑っていて
じゃあせっかくだからお邪魔します!!ってことで
本当にそのまま、今度は関根さん親子の家に行く事になった。
自家製の薫製などもいただき
北海道の冬の厳しさ
良い部分も
厳しい部分も
たくさん聞けて、本当に幸せな夜を過ごした。
ありがとう。みんな。
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高安さん、突然なんですけど
俺、、明日!小樽に向かおうと思います!
三日目の夜、高安さんにそう伝えた。
あまりにも居心地が良くて、ずっと居座ってしまいそうだったからだ。
すると、高安さんは満面の笑みで
【まだまだ泊まっててよかったけど、旅人だしな!次の経験を楽しんできな!
くれぐれも気をつけて行ってくるんだぞ!】
そう言って俺にエールを送ってくれた。
高安さんも、若い頃は色々と経験をし
湘南でバリバリ仕事をした後
定年してから地元のこの家に戻り
今はこの余市で
1人で暮らしている人だった。
旅人を見ると
色々と思い出すらしい。
今まで俺と同じように数人の旅人を助けてあげたことがあるという話を聞いたり
北海道を回るための計画、作戦会議をしたり
そして俺の下手くそなギターに拍手してくれたり
本当に素敵な最終日だった。
出発の朝
高安さんに1つ約束をした
必ずまた会いにきます。
なんなら北海道一周したら
また余市に戻ります
そんな約束もした。
ありがとう、高安さん
ありがとう、人間に戻れた日々。
さぁ!小樽!札幌方面!!!
続く