高田RIONの日本一周、原チャリ一人旅

2006年、日本一周の一人旅記録

旅立ち前夜

2006年

1月15日の夜。

 

俺は独り21歳の誕生日を迎え、狭い部屋の中で

 

こんなことを思った。

 

 

【俺は一体なにをしているんだ】

 

 

周りの友人達が

就職して一生懸命働いていたり

大学で必死に勉強したり

就職活動をスタートさせている中で、、

 

俺はというと

 

まぁなんとかなるっしょ

 

と、夢も希望もなく

 

ただひたすら

惰性でアルバイトを続ける日々。

 

一日生活の流れがヒドイ。

 

起きる

ちょっとだけバイトする

テレビ見て、晩飯食べる。

いつか俺もなにかの分野のスーパースターになる

そんな妄想しながら、寝る。

その繰り返し。

 

 

このままじゃヤバい。

 

アホな俺でもそれだけは分かった。

 

 

思えば俺は常に中途半端だった。

 

そしていつも、いいわけばかり。

 

 

高校卒業後、音楽の専門学校に進学した時も

 

みんな、俺、専門学校行って

マジでプロミュージシャンになるわ!!

すげーだろ!!

見ててくれよな!

 

 

と、意気揚々に仲間達に語ったわりに

 

 

【音楽はやっぱ学ぶもんじゃないね

 あいつら何も分かってないぜ!】

 

 

 

という超ダサい奴がよく言う、ありきたりなセリフNo.1を言い放ち

 

 

 

光の速さで中退

 

 

 

実際はただ単に授業についていけなかっただけである。

 

 

 

【大丈夫、大丈夫、ギターを独学でやり続ければどうにかなるはずだ、、】

 

 

結果

 

 

ギターなんか触る気すら起きず、2年以上も弾かないまま

 

部屋のオブジェと化す

 

 

 

そんなこんなで

 

ただ何もしない日々を繰り返すだけ

 

そんな自分に、旅立ちのキッカケは急に訪れた。

 

 

 

休憩中、バイト先の先輩が急に

写真がたくさん入ったアルバムを僕に見せてくれた。

 

高田くん、俺この前バイクで鹿児島まで行ってきたんだけどさ

その時の写真達、見てくれよ。

めちゃくちゃ遠かったけど、最高だったぜ。

 

 

俺はその写真に写る一枚一枚に

 

心を撃ち抜かれた。

 

青空、夕焼け、綺麗な海

山、川、大自然

ロングストレートの国道

デカいアメリカンバイク

日に焼けた先輩の笑顔

 

すべてがキラキラ輝いて見えた。

 

これだ、これしかない

 

今、やりたいことは、これしかない!

退屈な毎日を送っている自分にとって

凄まじくカッコ良く見えたんだ。

 

 

 

その後、何度も何度も先輩にアドバイスを聞いた。

 

あのデカいバイクいくらでしたか?

旅費はいくらでしたか?

期間は??

 

色々と質問をしまくり、聞けば聞くほどテンションが上がってくる。

 

 

早く、早く旅に出たい、、、、

 

俺は毎日、旅のことを考えながら

旅費を稼ぐために必死で働いた。

 

 

どうせならデカいバイク、、ハーレーでも買ってから旅立ちたい、、、

 

そんな欲が出てきた頃

 

先輩からの追い打ちの一言

 

 

【高田君、早くしなきゃ人生終わっちゃうよ?】

 

 

ほんとうだ、、、。

 

見栄えなど、もうどうでもいい。

 

 

 

もうそういうのはいい。

 

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いつも乗ってる

これで行く。

 

 

そして、どうせ時間は腐るほどあるんだ。

やるならとことん

 

 

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日本一周にしよう。

 

 

 

そこからは早かった。

 

ホームセンターとかで準備を急ピッチで進める。

 

 

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テントに寝袋にバックパックに、、、

弾かないギターも持っていくことに、、、

 

全部、無理矢理詰め込む

 

 

 

 

この準備期間が本当に毎日毎日楽しかった。

常にハイテンション

 

なんか、変われる気がしたんだ。

 

 

出発の日を、キリよく

 

2006年4月1日に設定。

 

 

もう近くの公園の桜は咲き始めていた。

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【旅、初日】へ続く